聖徳太子とは誰のことか(永井俊哉ドットコム)
永井さんが鋭いことを書かれているのでリンクします。
聖徳太子という人物は実在しなかったということや、天武朝以降日本史が書き換えられた可能性があるという点では一致しています。
中でも聖徳太子像が天武朝以降に創作されたという指摘は素晴らしいものがあります。
天武天皇はおそらくは、白村江の戦い以後、渡来してきた勢力と深く関わっており、最悪のシナリオの場合、渡来してきた勢力の本体であった可能性すらあります。
ただ今更、話を蒸し返して争いを繰り広げることもないと思います。しかし、真実は暴かれるべきであると思います。
私は聖徳太子のモデルは、阿武山古墳の被葬者、鎌足ではないかと思います。鎌足公はおそらく、天智天皇本人か、その血族。年代が前後しますが、数々のメタファーで彩られた日本書紀を見れば、それくらいの捏造は造作もないことです。
なぜ天智天皇が近江に都を置いたのかは、未だに明らかになっていませんが、おそらくは西宮(サイグウ)と斎宮(サイグウ)でも書いたように、天児屋根ラインで最も重要な琵琶湖と淡路島の生殖を受け持つ天の川祭祀を行う必要があったからでしょう。
この天の川祭祀で最も重要な地域が阿武山古墳を含む摂津なのです。摂津の磐船神社のイカルガを奈良のイカルガに降ろしたのは鎌足公本人か、それに対抗する勢力です。
鎌足公自体が神仏習合に力を注いでいた様子も伺えます。しかし法隆寺を巡る歴史は複雑です。
鎌足公が天智朝の擁護者であるとしても、子とされる不比等以下は私も永井さん同様、日本書紀創作勢力であると思います。
藤原不比等以下の藤原氏および天武天皇は中国の思想を多分に持った人たちであったと思います。天武天皇が天智天皇の弟とされたように藤原不比等も藤原鎌足公の子とされたのです。不比等の兄とされる定恵はうまい具合にクッション役になっている。
聖徳太子が実在しないことを書かれた大山 誠一氏は元々、長屋王家木簡の専門家で、長屋王のライバルで『日本書紀』の編者である藤原不比等とは異なる視点から歴史を見ていたということですが、長屋王の骨がなぜ土佐に流されたのか?という日本霊異記の記述には目がいかなかったようです。
天武朝において明らかに飛鳥と土佐は違うディスクールで動いており、骨を土佐に持っていくということは、出元に還すというメタファーを持っているのです。
675年 土左大神(土左高賀茂大社)天武天皇に
神刀を献上(させられる)
同年 奈良龍田大社創建
678年 京都上賀茂神社創建
684年 白鳳の大地震
(土佐で陸地沈没、東海地震併発、伊豆大瀬崎隆起)
祟りによるものと捉えられる
同年 長屋王生まれる
686年 (天武天皇)秦忌寸石勝を遣わして(土左大神に)幣を於く
同年 願いかなわず天武天皇崩御
729年 長屋王憤死→骨は土佐へ
737年 藤原四子 天然痘で急死
祟りによるものと捉えられる
ここで注目したいのは、長屋王が天武天皇崩御の遠因(祟り)ともされる白鳳の大地震の年に生まれていることです。676年の異説もあるようですが、それも土佐から神刀を献上させた翌年です。長屋王がモノノケの権化として認識されていた可能性があるのです。土佐が鬼国とも言われる所以です。
土佐は江戸時代でさえ犬神『ウィキペディア(Wikipedia)』付きの事例があるくらいです。上古の時代に気味悪がられていたのは言うまでもないでしょう。それが卑弥呼の鬼道の下地になったのは言うまでもないことです。またこれが陰陽道を吸収する下地になっていきます。現存する陰陽道『ウィキペディア(Wikipedia)』は天社土御門神道と高知県のいざなぎ流しかありませんが、『土』は土佐の隠語ですので、卑弥呼の鬼道のラインは明らかに四国-北陸なのです。
土佐が天智朝まで天児屋根ラインで連動して動いていたのはほぼ間違いがないでしょう。イカルガ(磐船神社)と西宮のセットと子宮系祭祀は土佐にも同じように見出すことができるからです。
鎌足公が摂津で指揮をとっていた時代は、全国が天の川祭祀で一体化し連動していた可能性があります。鎌足公のエネルギーは宇佐・土佐・摂津・近江・諏訪・武蔵・常陸・陸前と全てに抜けていく不思議なものです。
これを『和を以って尊し為す』と言わずしてなんと言うのでしょうか。
鎌足公こそ聖徳太子ということでしょう。
4年前に八幡大神からこんなことを言われました。
”われわれはわれわれの神をのこすため、やむをえず異国の神と習合することを選択した”
これは鎌足公にも通じているのです。
私たちは天智朝以前の日本を取り戻す必要があるのです。
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